まずはこの動画から。
これは、昔、ある小学生が考案したと言われる 普通の割りばしゴム銃で連発する方法 です。
本来、単発式の割りばしゴム銃を使いこなしだけで連発式に(しかもバーストさせることなく!)変身させてしまうという目からウロコもののアイデアです。
ただ、この方法、ストッパー役の輪ゴムが別途必要なのが難と言えば難。
例えば5連発させるためには、5発の輪ゴム以外に4本の輪ゴムをストッパーとして用意しないといけません。
これは、せっかく掛けた輪ゴムの半分近くが弾として利用されないと言うことになり、ちょっともったいない感じがします。
そこで、この掛け方を土台にしつつ、ストッパーなしで連発する方法を考えてみることにしました。
あーだこーだ試行錯誤したあげく、まず、ひねり出したのがこの動画のようなやり方です。
ところがこれにも欠点があって、輪ゴムを3発以上装填すると完璧にセミオート動作するとは言い切れず、うまくいったりいかなかったりします。
結局、このやり方できっちり連発が保証できる装弾数は2発ぽっきりというオチがつくのでした。
せめて、装弾数は小学生が考えた掛け方ぐらいは確保したい。
そこで、上記の2発ぽっきりの中途半端な装填法をブラッシュアップして、たどりついたのがこの作例の方法です。
ざっとした割りばしゴム銃ぶりは相変わらずで、材料をケチったため、先にあげたふたつの作例よりさらにショボくさえなっていますが、トリガーの後ろに追加された「横棒」がこの銃のキモです。
それでは、さっそくこの作例で連発セミオートさせてみましょう。
なお、作例は割りばしでざっと作ったものなので、強度を考慮して装弾数は5発までに抑えました。
●まず、マズルからホールドフックに輪ゴムを掛け・・・
●さらにそのまま伸ばしながら、左右に分かれている2本を一緒に「横棒」の下に回したあと、「グリップの出っ張り」でUターンさせて・・・
●後ろからホールドフックに引っ掛けます。
この時、トリガーを少し引いて中立の状態にしておくのがコツです。
●4発目まではこの装填方法を繰り返し・・・
●最後の5発目のみ、マズルとホールドフック間に普通に掛けて装填完了です。
(本来は、1発目は横棒への回し掛けは不要ですが、掛け方が3パターンもあると、さすがに煩雑です。なので1-4発目まではあえて同じ掛け方で統一しました。)
なにやらあやとりみたく絡まってますね。
トリガーを引くとホールドフックから最上段の輪ゴムが発射。
トリガーを戻すと、次弾がホールドフックから後ろへ滑り出し、「グリップの出っ張り」と「横棒」の2ヶ所で折り返されたあと、ホールドフックにあらためて引っ掛かって、これで次弾の発射準備完了となります。
あとはトリガーを引くたび、この動作が繰り返されます。
これは、輪ゴムをいったん横棒に回して装填することで、上段の輪ゴムが次弾の滑り出しを防ぐストッパーとなって、バーストを防いでいるからです。
ただ、この方式、作り方がいい加減だったり輪ゴムの掛け方が悪いと文字通り痛い目に遭います。
トリガーを戻した瞬間、折り返された輪ゴムのパワーの一部が、前方に波として伝わって、たまにマズルから輪ゴムを外してしまい、射手に向かって逆発射することがあります。
これを防ぐには、輪ゴムが外れないようにマズルのゴム掛け部分を深くする必要がありますが、割りばしゴム銃の場合、その手の加工はなかなか難しいものがあります。
そこで、作例ではマズル部に横棒を固定して「掛けしろ」を深く設定するようにしました。
作品の仕上がりや輪ゴムの状態、装填方法によっては、上述のように輪ゴムが射手に向かって逆発射され、顔や目を直撃する可能性があります。このページを見て、作ってみようかな〜と考えている人がいるかと思いますが、使用上発生するアクシデントについては、作者はその責を負いません。試される方はあくまで自己責任でお願いします。
また過装填も禁物です。装弾数は5発を超えないようにしてください!(逆に言えば5発程度装填しても大丈夫なように作るべきです)
また、輪ゴムが折り返される時の挙動によっては、横棒に絡まってジャムることがあります。
作例の横棒の突き出しは20ミリほどで、この長さだとひんぱんに絡まるものではありませんが、それでも皆無ではありません。
これはあまり面白くない現象なので、対策を2通りほど考えてみました。
●対策その1●
横棒をさらに長くして、輪ゴムが絡まないようにします。
これは手が届かないところまで棒を伸ばせばよい、という理屈ですね。
4 - 5センチ突き出せば効果てき面なんですが、見た目のスマートさに欠けます。
そこで、次の手 ・・・
●対策その2●
逆に横棒をうんと短くして(数ミリ程度)、絡まる余地を無くします。
折り返す時の輪ゴムの勢いを利用して、棒の頭をスルーしてもらおうという作戦です。
輪ゴムの掛けしろが小さくなって、回し掛けが少々むずかしくなりますが、実際はかなり有効でした。
作例ではさらに、頭を斜めにカットして、より絡まりにくくしています。
それでは「百聞は一見にしかず」ということで、装填&実射動画をご覧ください。ペチペチッとセミオートで連射する様子を見ることができます。
この作例、どちらかと言えば、ハード(機構)ではなく、ソフト(使いよう)で連発化を果たしていますが、まだまだ頭をひねれば、あっと言うような斬新な方法が他にもあるかもしれませんね。
割りばしで連発させる方法はこれで終わりですが、これだけでは、ちょっともったいないので、次のページでは、この方法を流用した作品バージョン(P607ビーアーム)をでっちあげてみることにしました。
2011.03.06 UP