古い動画でスミマセン。
これは「普通の割りばしゴム銃で連発する方法」
割りばしゴム銃のホールドフックに弾丸役とストッパー役の輪ゴムを交互にセット。本来、単発式の割りばしゴム銃を、使いこなしだけで連発式に(しかもバーストさせることなく!)変身させてしまうという目からウロコのアイデアです。
ホールドフックを直立させながら、ストッパー役の輪ゴムを後ろ向きにセットするのがキモで、聞くところによるとGUN誌1995年4月号で紹介されたアイデアとのことです。
この応用例として
●拙案のストッパー役の輪ゴム自体を不要にする方法
上に向かって突っ立っているのがホールドフック。そこへ前向きと後ろ向きに交互に輪ゴムを装填していきます。後ろ向きに掛けた輪ゴムは反転ピースで折り返して前方へ向きを変えて、左側のバレル先端へ引っ掛けます。
わかりやすいように前向きと後ろ向きで輪ゴムの色を変えてみました。
前後それぞれ10発ずつ装填。装弾数は計20発です。
実はこのモデル、前向きと後ろ向きではリリースの挙動が異なります。前向きは瞬間解放式。後ろ向きは傾倒滑射式になります。
ホールドフックの駆動に使っているのは水車の脱穀機の原理。
クランクハンドルを使って回転トリガー(ここではミルと呼称)を回し、ホールドフックをたたく構造です。
ミルの前方にあるスプリング付きの板状パーツはミルストッパー。
ここにミルを引っ掛けると、ホールドフックが中立位置にロックされ、輪ゴムが装填しやすくなります。
ツインバレル。
クランクハンドルは折りたたみ式。利き手に合わせ左右に付け替え可能。
ガチン!ガチン!とスパルタンな回し味です。
ミルが大きくてレイアウトには苦心しました。
取り付けベースになるフレームパネルを横長のTの字型とし、下部にミルの回転軸をもってきました。フレームパネルのタテの部分には補強のため木目を直交させたサブパネルを貼り付けてあります。
本体は全長400ミリちょっとと、マシンピストルサイズですが、ストックとバイポットを付けると一気にウェポンぽくなります。
クランク操作の反作用で銃が大きく暴れるため、ストックは必須。
作動中はタンデムバレルシリーズ(I & II)と並ぶ、けたたましい音を発します。
主材はパインで、MDFやブナ丸棒、シナ合板も使用。
I字型のグリップパネルはアサメラ製。ミルに指が巻きこまれないようハンドガード付きです。
ストックはMDFの芯材の両面にHDFを貼ったもの。
HDFはMDFに似ていますが、ラジオやテレビのキャビネットが木製だった時代、裏板としてよく使われていたボードで、これがわかる人はかなり昭和な人かと。
HDF特有の凸凹したテクスチャーをそのまま活かすことにしましたが、表面が毛羽立っていて、素材のままだといかにも汗や脂を吸い込みそうです。
そこで汚れ防止策として、クリアのニスやラッカーあるいはオイルを試してみましたが、汚い濡れ色になるだけでうまくいきません。
こりゃ不透明塗装するしかないかなぁと思っていましたが、たまたま水で薄めた木工ボンドを塗ったところ、ムラなく均一な色合いになり、生地表面も固まって、いい感じに仕上がることがわかりました。木工ボンドも使いようです。
木工ボンド仕上げのストックパネル以外はクリアウレタン塗装です。
脱着式のストックは材の弾性を利用したロック機構付き。グリップの底からキックアップするように生えるのが特徴です。
同様に、バイポットの脱着もワンタッチ。
おなか側。けっこうややこしいことになってます。
制作後記。
ストッパー役の輪ゴムを折り返して前に向ける、というアイデア自体は簡単そうに思えましたが、いざ実装するとなると、けっこう大げさなものになりました。
ストロークの長い傾倒式のホールドフックを前後に大きく動かすのは、想像以上にスペースを喰うのです。(そういう意味では人間の指は省スペースかつ高精度です)
今回は構想の段階からホールドフックの駆動は瞬間解放式と傾倒滑射式のハイブリッドで行くことにしましたが、前後とも傾倒滑射にしたほうがこの方式の理にかなっていたかも・・・。
「百聞は一見にしかず」ということで射撃動画をご覧ください。
射撃動画
<制作年> 2016年12月
<モデル名> P610 MILLAUKEE ミルオーキー
<カテゴリー> マシンガン
<全長> 630ミリ
<銃身長> 200ミリ
<装弾数> 20発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> クランクハンドル駆動による疑似フルオート。リリースは瞬間解放式と傾倒滑射式の交互切り替え
<素材> パイン、MDF、HDF、ブナ丸棒、アサメラ、シナ合板
<仕上げ> ウレタン仕上げ(ストックのサイドパネルのみ木工ボンド仕上げ)
2016.12.16 UP