作者初のナガモノゴム銃 P203タンデムバレルです。
P201改 の機構に電動モータを仕込んで、フルオート化をもくろんだものです。
連発の仕組みはP201と同様、のこぎり型ホールドフックとフカヒレ型リリーサのコンビネーションが基本になります。
機関銃ということで生半可な装弾数ではおもしろくありません。
装弾数を増やすため、ホールドフックを延長し、それにあわせて第2バレルを増設するという奇手を使いました。
タンデムバレル(前後複座バレル)という実銃ではありえない方式で、ゴム銃ながら50発という装弾数を実現しています。
25発が前方のバレルより、残りの25発が後方のバレルより発射されます。
もちろん射手はバレルの切り替えを意識する必要はなく、掛け値なしの50連射が可能です。
ホールドフックとバレルはアガチスの1枚板。
50ヶあるホールドフックは糸ノコ盤でひとつひとつ刻んでいきました。
よく見ると前から後ろにかけてなだらかなスロープ状になっていますが、これは装填時に輪ゴムが重ならないようにするための工夫です。
セミ・フル切替え用のセレクターを装備。
セミオート時はトリガー操作で直接リリーサを動かし、フルオート時は電動に切り替えて発射メカを作動させるというハイブリッドな方式を採用しました。
つまり電気系統のトラブル(電池切れ、断線等)が発生しても、最低限セミオート射撃は保証されるというシステムです。
電動システムにはタミヤ製3速クランクギアボックスを使用しました。
フルオート時に、文字通りフル回転する8枚羽根の回転カムです。
回転カムがラチェットボックスを連続してたたくことにより、ラチェットボックスが前後にピストン運動。
一往復で1発分、リリーサが後退します。発射速度は400発/分と低めです。
単三乾電池2本を使用。3ボルトでモータを駆動させています。
写真はハンドガード内の収納スペースです。
微調整可能なピープ式リアサイトを装備。
発射プレート上のフロントサイトを望見したところです。
フレームとバレルはアガチス。グリップはホウ。ストックはシルクウッド製です。
フレームは水性透明ニス仕上げ。
ストックにはさらにつや消しニスを上塗りし、水性ニス特有のべたつきを抑えました。
グリップとバレルは木彫オイルで軽く仕上げています。
(2005年5月29日追記)
デリケートな構造のため、長らく不可動状態にありましたが、4年ぶりにレストア。
完全作動するようになりました。
「百聞は一見にしかず」ということで射撃シーンを動画でご覧ください。
<制作年> 2001年7月
<モデル名> P203 TANDEM BARREL タンデムバレル
<カテゴリー> マシンガン(電動)
<全長> 770ミリ
<銃身長> 200〜300ミリ
<装弾数> 50発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオート/電動フルオート(発射速度400発/分)
<素材> アガチス、ヒノキ、ホウ、シルクウッド、ベニヤ、タミヤ製3速クランクギアボックスセット、単三バッテリーケース
リード線、コードホルダー、木ネジ、輪ゴム、プラ板、マグネットシート、ステンレス板
<塗装> フレーム(水性ニス仕上げ)、 バレル、グリップ(木彫オイル仕上げ)、 ストック(水性つや消しニス仕上げ)
2001.07.03 UP(但し、初公開は「ゴム銃のページ」のガンロッカーでした)