P303ギザ66°の改良モデル、P308キレットが完成しました。
左・・・P303ギザ66° 右・・・P308キレット
タテに並んだギザギザ型のホールドフック。
リリーサはホールドフックと同形状で、リリーサが後方へスライドすることで輪ゴムを上段へ繰り上げるステップアップ方式の連発銃です。
装弾数は8発。
画像は旧モデルのギザ66°。
ステップアップ方式の中ではトリガープルが軽いほうですが、トリガーを引いている間、リリーサに装填された輪ゴムのテンションがもろにかかるため、残弾数によってトリガープルが変わります。
特に残弾が多い場合は、"ネトーッ" とした感触があって、トリガーにキレがあるとはお世辞にも言えないのでした。
今回制作したP308キレットのコンセプトは、"ステップアップ方式のトリガーにキレ感を!" です。
リリーサに切り込みを追加。ギザ66°との違いはこの切り込みの有無だけなんですが、このちょっとした加工が当モデルの最大のキモになります。
トリガーを引くと、輪ゴムが切り込みの中に滑り込んでテンションをフレームへ逃がす構造です。
リリーサにはテンションが掛からないため、トリガーのキレ感は格段に向上しました。(ふたつ上のギザ66°の画像と比べてみてください。)
トリガーストロークも大幅にショート化。
ギザ66°のストロークは 12 ミリありますが、キレットのストロークは 5 ミリ。
また、発射の際に、輪ゴムのテンションがリリーサに掛かるのは引き始めの一瞬のみ。しかも斜面で輪ゴムを滑らせるだけなので、輪ゴムのテンションはほとんど感じません。
フレームに刻まれたホールドフックはかなり控えめ。
輪ゴムがかろうじて引っ掛かる程度しかありませんが、これもトリガーストロークのショート化に寄与しているはずです。
可動パーツはトリガー&リリーサの1点のみ。
装填された輪ゴムのテンションは感じないのですが、トリガースプリングがあるので、そのテンションはもちろんあります。
外観には、そこはかとなくステップアップ方式特有の雰囲気があります。
名称のキレットは、リリーサに刻まれた切り込みの様子を切戸(キレット=山岳用語)に見立てたもの。トリガーのキレ感にも引っかけてます。
フレームパネル、トリガーはシナベニヤ。バレルやインナー材はヒノキ。トリガーガードは竹。グリップはケヤキです。
ウレタン塗料(クリア色)を薄めたもので拭き仕上げしました。
(2012年10月1日 追加)
「百聞は一見にしかず」ということで射撃シーンを動画でご覧ください。
射撃動画
<制作年> 2011年3月
<モデル名> P308 KIRETT キレット
<カテゴリー> ハンドガン
<全長> 310ミリ
<銃身長> 285ミリ
<装弾数> 8発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオート
<素材> シナベニヤ、ケヤキ、ヒノキ、竹、コイルスプリング
<仕上げ> 薄めたウレタンによる拭き仕上げ
2011.03.06 UP