P303ギザ66°を紹介します。
P302アークII に引き続き、可動パーツはわずか1点だけの連発ゴム銃です。
一体型のトリガー・リリーサです。
糸ノコ盤で切り出したものですが、このモデル唯一の可動パーツでもあります。
フレーム後部のギザギザ斜面がホールドフックです。
8発の輪ゴムが装填可能です。
丸棒がフレームパネルから突き出していますが、これはただの飾りではありません。
トリガーを少し引くとリリーサが顔を出します。
ギザギザがいっぱいです。
輪ゴムを8発、フル装填したところです。
フレーム全体がバレルになっています。
7〜8発目の輪ゴムが丸棒のところでわずかに屈曲して装填されているのがわかるでしょうか。
輪ゴムをストレートに装填すると指に干渉するため、丸棒で輪ゴムを持ち上げているわけです。
リリーサはホールドフックと同じくギザギザ状ですが、よく見ると小さなフカヒレが縦に8つ連なっています。
トリガーを引くとリリーサが後方にスライドしてホールドフックから突き出ます。
すると装填されていた輪ゴムがフカヒレの斜面に押し上げられいっせいにホールドフックからはずれます。
最上部の輪ゴムはそのまま発射されていきますが、ほかの輪ゴムはフカヒレの上の出っ張りに引っかかります。
そしてトリガーをもどすと輪ゴムは全弾、一段上のホールドフックに移動しているという仕組みです
前作のP302アークII は「ホントに動くんかいな〜」と疑いながら制作し、実際に予想どおりうまくいかなくて調整に苦労しました。
それに比べるとこのモデルは調整なしの一発で決まりました。合理的なステップアップ機構だと思います。
トリガーシステムには、トリガースプリングやらそれを引っ掛けるためのヒートンなど付属パーツが必要ですが、このモデルにはその種の付属パーツがありません。
トリガーに必須のトリガースプリングさえ省略しました。
これは装填された輪ゴムの張力を利用してトリガーを復帰させようともくろんだからです。
フル装填時はトリガーが重いのでは、と予想していましたが、それほどでもなくいい方向に予想が外れてくれました。
ステップアップ方式を採用した他の銃と比べてもトリガープルは軽い方です。
フレームは数本の角材で構成されていますが、なにかで位置決めしないといけません。
そのためにフレーム前後に大きめのパネルを配置してみました。メリハリが効いてなかなかいい感じです。
フレームの縦のラインは角度を66度に設定しました。パネルだけでなくいたるところに66度を取り入れています。
ネーミングのギザ66°(ギザ ロクジュウロクド)はホールドとリリーサのギザギザが目立つのとこの前傾角度66度からきています。
フレームの角材をはじめとして、ほとんどのパーツは面取りをせずエッジが立ったままですが、グリップだけペーパーで丸みを付けました。
グリップ下部のふくらみはもっとグラマラスだったのですが、ペーパーのかけ過ぎで少し痩せてしまいました。
前部パネルはトリガーガードの支えにもなっています。
ちなみにトリガーガードは6ミリ角のヒノキ材を切っただけのものです。
マズルがパネルからちょこっとだけ顔を出しています。
角材はヒノキ。唯一の可動パーツであるトリガー・リリーサはシナベニヤです。
仕上げは木彫オイルで軽く拭き上げました。
前後パネルとグリップはアガチス製で、薄くチーク色に染めてみました。
「百聞は一見にしかず」ということで、射撃シーンを動画でご覧ください。
(2012年9月8日 HD動画に差し替え)
射撃動画
<制作年> 2005年3月
<モデル名> P303 GIZA66° ギザ66°(ギザ ロクジュウロクド)
<カテゴリー> ハンドガン
<全長> 310ミリ
<銃身長> 285ミリ
<装弾数> 8発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオート
<素材> アガチス、ヒノキ、シナベニヤ、ラミン、木ネジ
<塗装> 木彫オイル仕上げ パネルとグリップはウレタンニスで薄く着色
2005.03.12 UP