とある夏祭りの射的イベント用に単発銃を作ってみました。
これからその銃の作り方を紹介したいと思います。
名称はP210エスフェスタです。
同じ型番の P210ちえみスペシャル を簡略化したもので、
●トリガーガードの省略
●引き込みタイプのトリガーデザイン
●フレームとグリップのデザインから直角を排除
あたりが、ちえみスペシャルとの相違点です。
機構的には大差ありません。
それでは作り方に進みますが、その前に以下のお約束事をよーく読んでください。
●ゴム銃を人や動物に向けないでください。輪ゴムを装填する時は特に要注意。
●規格#16の輪ゴムを使用してください。それ以外の輪ゴムはダメです。
●このゴム銃は単発です。装填できる輪ゴムは1発だけです。
●工作中およびゴム銃使用中のトラブル(ケガや器物破損等)については「自己責任」でお願いします。
●このページの内容は個人の範囲内でお楽しみください。複製、改ざん、頒布したり、作り方やアイデアをもとに利益を得るような行為はご遠慮ください。
お約束事に同意できましたか?オッケーな人はゴム銃作りに進みましょう。
実寸図 をGIF形式で用意しました。
右クリックで保存してください。(Windowsの場合)
●6ミリ厚のヒノキの板材 − バレル、ガイド、グリップベース、グリップインナーが取れるだけの量
●3ミリ厚のアガチスかホウの板材 − フレームが取れるだけの量
●5〜8ミリ厚の適当な板 − グリップが取れるだけの量
●5.5ミリ厚のシナベニヤ − トリガーが取れるだけの量
アバウトな書き方でスミマセン。材料の必要サイズについては図面から推しはかってください。なおインナー材は6ミリ厚を基本にここでは説明していますが、9〜10ミリ厚程度の厚めの板でももちろんオーケーです。
●コイルスプリング(線径0.4〜0.5ミリ、長さ20ミリ、直径5ミリ程度のもの)なければ小さな輪ゴムで代用可。
●木ネジ(2.1 x 10ミリを2本)
●つまようじ(1本)
もともと手持ちの端材をあてにしてデザインしたものなのでやたら材料の種類が多くなってしまいました。新規に1挺だけ作る場合はコストパフォーマンスが悪いです。
糸ノコ(糸ノコ盤が望ましい)、両面テープ、キリかピンバイス、接着剤(木工ボンド)、紙やすり、ドライバー。
図面を元に各パーツを切り出します。
フレームやグリップのように同じカタチのものが左右2枚必要な場合、2枚の板材を両面テープで貼リ合わせてカットすると仕事が早いです。
(1) 6ミリ厚のヒノキの板材を15 X 150ミリの長さに切り出します。
(2) バレル先端に輪ゴムをかけるための切り込みを入れます。
フレームは左右2枚必要です。3ミリ厚のアガチスかホウの板材、シナベニヤ等から切り出します。
30ミリ巾で販売されている板材を使えば無駄なカットをせずに済みます。(フレームの高さがちょうど30ミリなので)
グリップは左右2枚必要です。5ミリ〜8ミリ厚の適当な板材から切り出します。
切り出したグリップは紙やすりで面取りすること。
5.5ミリ厚のシナベニヤから切り出します。
トリガーを保持するためのガイドです。 6ミリ厚のヒノキの板材から6 x 6 x 30ミリと6 x 6 x 25ミリに切り出します。
6ミリ厚のヒノキの板材から切り出します。グリップインナーは径22ミリ程度です。
(1) 左フレームにバレルを接着します。
(2) 図を参考にしてトリガーの位置を決め、ガイド2本とグリップベースをフレームに接着します。
ガイド2本はトリガーがスムーズに動き、かつガタつかないように接着してください。
ガイドを接着したらトリガーはすぐに外しておきます。
(3) 左グリップの下部にグリップインナーを接着します。
(4) トリガーを仮置きし、グリップベースに左グリップを接着します。トリガー下端が2ミリ程度グリップ内に入り込むようにグリップの位置を調整します。
(5) トリガー前方とバレルにキリ(ピンバイス)で斜めに穴をあけます。つまようじ等を適当な長さに切って差し込み、スプリングをかけます。
(6) 右フレームをかぶせます。位置が決まったらキリ(ピンバイス)で2ヶ所下穴をあけ、木ネジ(2.1 x 10ミリ)でとめます。
(7)
右グリップをグリップベースとインナーに接着します。
右グリップを接着するとトリガーは取り外せなくなります。接着前にトリガーがスムーズに動くかどうかよ〜く確認してください。あとからトリガーを取り外したい場合は右グリップを接着剤でなく木ネジでとめるなどの工夫をしてください。
これで組立は完了です。
作例です。
写真に撮るとやたら平面的です。このへんの感じはちえみスペシャルに似ています。(実際に薄いです)
作例は木彫オイルで軽く拭き仕上げ。トリガーは組み立て前に仕上げました。
ホールドフックをフレーム後部にもってきました。
ちえみスペシャルと同じ斜面滑射方式ですが、レイアウトを変えたためフレームはかなり小ぶりになり、銃の全長も短くなりました。
曲線が多いので電動糸ノコ盤がないと切り出しはむずかしいです。手工具の糸ノコしかない人はじっくり気長にやってください。
とはいってもやっぱり切り出しが無理っぽい場合はフレームやグリップのデザインを直線主体にするなど適当に変えましょう。
※ちなみに2007年夏、ユニディ(首都圏を中心に展開するホームセンター)の夏休み工作企画としてこのP210エスフェスタが採用されました。
2006.08.01 UP