カンヌキ方式の連発銃P802エルボーです。
同じ方式のP801クモンの制作中、バリエーションのひとつとして出てきたアイデアをカタチにしてみました。
フレーム後部の斜面を駆け上がろうとする輪ゴムをカンヌキ式のホールドパーツで、保持する仕組みです。
ここでは説明のために、鉛筆をカンヌキに見立てています。この状態で鉛筆を引き抜くと、輪ゴムが解放されて飛んでいくという原理です。
このモデルのカンヌキ式ホールドです。L字型に屈曲しているところが最大の特徴。
トリガーを引くと1間隔分ずつ後退するようになっています。
5発の輪ゴムを装填したところ。
カンヌキの水平部分で輪ゴムを保持しますが、この装填状態までもっていくのがちょっと面倒です。
設計時にこの面倒くささが想定されたため、装填の手順について思案したところ、この屈曲型のカンヌキになったのでした。
装填の手順です。(赤の矢印は輪ゴムの動線。グリーンはカンヌキの動線。)
先ずカンヌキを引いてフルオープンにします。
バレル先端に輪ゴムを引っかけ、そのままうしろへ引っ張ってカンヌキの上端へ輪ゴムを当て、タテのラインに沿って輪ゴムを下に降ろします。(赤の動線)
カンヌキの水平部分に輪ゴムが到達したところで、カンヌキを1発分だけフレームへ押し込んで輪ゴムを保持します。(グリーンの動線)
あとは、この操作をカンヌキの本数だけ繰り返します。
可動パーツはカンヌキとトリガーの2点です。
ラチェットシステムはトリガーとシアが一体のBタイプを採用。(ラチェットシステムの説明はこちら)
また、細かいところでは、カンヌキを前進させる際に邪魔にならないよう、ラチェットシアは自動的に下がる仕組みになっています。
よく見るとカンヌキの水平部分が前下がりになっていますが、これはカンヌキを押し込む際に、輪ゴムがフレーム内へ入り込むのを軽減するための処置です。
フレームに設けたガイド溝。カンヌキとトリガーの支点軸がこの溝の中をスライドします。
トリガーガード。
グリップベースから前向きに生やして、先端を宙に浮かせてみました。
これはフレームパネル下端ギリギリまでトリガーが陣取っていて、トリガーガードを取り付ける余地がないためです。
右側面から。
左側です。
シナベニヤが主材です。グリップはケヤキを使用。
構造上、装填しにくいのはいかんともしがたいです。
ということで「こんなのもありかな」的な位置づけのモデルになります。
「百聞は一見にしかず」ということで射撃動画をご覧ください。
射撃動画
<制作年> 2012年6月
<モデル名> P802 ELBOW エルボー
<カテゴリー> ハンドガン
<全長> 340ミリ
<銃身長> 295ミリ
<装弾数> 5発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオート/擬似フルオート
<素材> シナベニヤ、ヒノキ、ケヤキ、竹串
<仕上げ> 薄めたウレタンによる拭き仕上げ
2012.07.01 UP