1979年に完成した連発ゴム銃P201を紹介します。
のこ刃状に並んだホールドフックとマズル部の間に輪ゴムを装填。
トリガーを引いて1発分だけリリーサを後退させ、斜面で輪ゴムを押し上げて発射する仕組みです。
装弾数は25発。ハンドガンにしてはかなりのボリュームです。
ホールドフック上面には残弾数を確認するためのインジケータが付いています。
制作当時はこの数字もボールペンによる手書きでしたが、さすがにそれではみすぼらしいのでパソコンでプリントアウトしたものを貼り付けてみました。
25発の輪ゴムをフル装填したところです。
プラ板で作った「のこぎり型ホールドフック」は両面テープで貼り付けただけですが、輪ゴム25本の張力をものともせず本体にへばりついています。
セミオートに加え、サイドに突き出たレバーを手動で後退させて擬似フルオート射撃を楽しむこともできるのが、このモデルの大きな特徴です。
フレームは2.5ミリ厚のシナベニヤ製です。グリップは6枚のシナベニヤを接着したものをナイフで削って成形しました。
バレルは5ミリ角のアガチス材の貼り合わせ。外から見えないインナー材にはヒノキ材を使用しています。
のこぎり型ホールドフックとフカヒレ型リリーサおよびトリガーガードは加工性を考えてタミヤのプラ板で作りました。
もっとも、制作当時はこれらのパーツを木で作るほどの技量も道具もなく、プラ板を使わざるをえなかったというのが本当のところです。
ちなみにこのモデルの制作ではノコギリは一切使用していません。すべてのパーツをカッターナイフだけで加工しました。
制作後、20年以上にわたり手垢の付いたまま放置されていましたが、2001年、ハンターさんのゴム銃のページで公開する機会を得たのをきっかけにオイルステインで塗装、さらに元々20連発だったものを25連発に改造しました。
型番のうしろの「改」はこの改造からきています。
カッターナイフで加工可能な薄いベニヤ板で作ったので、ボディは厚みがなく剛性が足りません。
このようにアップにするとかなりへなへなしているのがわかります。
当然、老朽化も進んでいます。
写真ではよくわかりませんがフレームを止めるためにマイナスネジを使っているところが制作時期をしのばせます。
右側のフレームカバーを取り外したところです。
設計当時、机上のシミュレーションを繰り返して何回もスケッチを書き直したおかげで、機構的には当時、すでに完成の域に達していました。
トリガー前方のラチェットボックス内のシアがスライドボルトのラックギアと噛み合い、1発分ずつ後退させるようになっています。
厳密にいえばこの動作はセミオートというよりもリボルバーのシリンダー送りの動きに近いと言えます。
制作以来、数万発は撃っていますが、シアは先端がやや磨耗しているものの、一度も取り替えたことがありません。
トリガーバーの真ん中らへんは手を抜いて、ベニヤ1枚分の厚みしかありませんが、これも破断することなく機能しています。
リリーサの基部となるスライドボルトには25山のラックギアが刻まれています。
この刻みはカッターナイフによる手彫りです。
制作からかなりの年月が経ち老朽化が進んでいますが信頼性は抜群、ジャムやゴム切れといったトラブルとは無縁のP201改です。
今でも現役でバリバリと射撃することができます。
「百聞は一見にしかず」ということで、射撃シーンを動画でご覧ください。
(2008年2月27日追記) 動画を更新。
<制作年> 1979年
<モデル名> P201改
<カテゴリー> アサルト ハンドガン
<全長> 400ミリ
<銃身長> 205〜340ミリ
<装弾数> 25発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオートおよび手動による擬似フルオート
<素材> シナベニヤ、アガチス、ヒノキ、プラ板、つまようじ、輪ゴム、木ネジ
<塗装> オイルステイン&ニス仕上げ
2001.03.03 UP(但し、初公開は「ゴム銃のページ」のガンロッカーでした)