ゴム銃のオッグクラフト
OGG CRAFT'S GUN LOCKER
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古参銃のオーバーホール

写真は1979年にこしらえたP201です。
2001年に大改修してP201改となりましたが、多くのパーツは制作当時のままで、今でもなお現役のスーパーじっちゃん的ゴム銃です。

これまでに発射した輪ゴムは推定で数万発。確実な連発アクションが取り得の銃でしたが、さすがに最近は少々やつれが見えてきました。

そこで往年のキレを復活させるべく、活を入れてやることにします。

まずは分解します。
2.5ミリ厚のベニヤ板を多用した各パーツは今の感覚からすると、とても弱々しく見えます。

トリガーバーなんぞ、「これでいいのか」というぐらい細くて華奢です。でもこれまで一度も破断したことはなかったので、これでよかったみたいです。

フレームパネルを止めているこのマイナスネジ、作者が幼少の頃、人からもらった古いおもちゃに使われていたもので、おそらく昭和30年代、日本のどこかの町工場で作られたものでしょう。
まさに「ALWAYS 三丁目の夕日」の世界の遺物です。

最初に目につくのはのこぎり型ホールドフックの欠けです。
このホールドフックは2001年の大改修で作り直したものですが、プラ板が0.5ミリ厚しかなかったせいか早々に欠けてしまいました。
欠けていながらも輪ゴムの発射には支障がなかったので、ずっとほったらかしにして今日に至ったわけでありますが、見るからに痛々しいので、まずはこいつから修理に取りかかることにします。
今回のオーバーホールで一番の重修理になります。

えいっ、とばかりにプラ製の"のこぎり"をバレルから引き剥がします。両面テープで貼り付けているだけなので、割と簡単に剥がすことができました。
こういうこともあるだろうと、あえて接着剤を使わなかったのが正解だったようです。

1ミリ厚のプラ板を2枚、両面テープで貼り合わせたあと、墨線どおりにカッターナイフで切り出します。力を入れてぐいっと押し切るので手は痛いわ、刃先はこぼれるわ、25ヶもあってうんざりするわで、あまり楽しくない作業です。

完成した"のこぎり"を両面テープでバレルの側面に貼り付け直します。

ホールドフックを新しくしたおかげで、フカヒレ型リリーサとの位置関係にズレが出てしまいました。そこでフカヒレも引き剥がして、余分なお肉をカットします。

プラ板を曲げただけのやる気の感じられないトリガーガードです。取り付け部が劣化して折れています。

プラ板を適当にカットして新しく作り直しました。やる気のなさは相変わらずです。

ラチェットシアです。
この銃の中で最も負荷のかかるパーツですが、MiniSDカードのように小さくて薄っぺらいです。
そんな頼りないやつですが、健気に30年間無修理無交換で働いてくれました。

よく見ると角が丸くなっていて、スライドボルトとのかみ合わせが怪しくなっていました。
ちなみにシアの横に何やら黒い物体が貼り付けてありますが、これはラチェットボックスの中でシアがふらつかないようにするためのスペーサです。

カッターナイフで削って角を出します。
小さかったシアがさらに小さくなってしまいましたが、これまでの経験からいうと、これでもたぶん壊れないはずです。

パーツのリフレッシュが終わったところで銃を組み上げます。
トップの写真と見比べてみると ・・・ほとんど変わっていません(悲)
まあ外観より中身ということで、早速試射してみます。修理の甲斐あってシュパシュパ、と往年のキレのよい連発アクションがよみがえりました。
これでさらに数十年、寿命が延びることが期待できますが、その頃には作者の方が先にくたばっているかもしれません。
ああ、人生短し輪ゴムは長し、だれか墓の中に一緒にいれてやってください。

2008.05.17 UP

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