ホームセンターで買ってきた工作材。時間とともにいろんなサイズのものがたまってきますが、それらを整理するためのストッカーを作り直してみました。
その製作レポートです。
これはゴム銃制作を本格的に始めた2001年頃に作った平型ストッカーです。
容量が小さいため、すぐに中がゴチャまぜになって、どのサイズの材がどれだけ入っているのかわかりにくいのが欠点でした。
そのため、必要なサイズの材がないと思って、ホームセンターへ走ったあと、よく見たらストッカーの底に沈んでいたということがひんぱんに起こっていました。
そのへんの使いにくさをなんとかしたいということで、3年ほど前に作ったのがこの二代目ストッカーです。
平型ストッカーの経験から、10種類のサイズ(厚み)を分別できるよう考えてみました。
縦型両面収納式で、さらに高・中・低の3段式になっていて、残材の長さによって細かく仕分けが可能です。
このストッカー、整理のしやすさという点では正解でした。ただ、使っているうちに不満な点もポツポツと・・・。
まず、収納力に余裕を見すぎたことに加え3段式にしたことで、ベース部分の奥行きが300ミリと大きく重くなり、狭い部屋の中での取り回しに少々難があったのです。
また、機能には関係ないですが、単に木の板を重ねただけの、子どもの工作みたいな外観のお粗末さもなんとかしたいと思っていたのでした。
そこで、もうちょっとスマートに・・・少々、容量が減ってもかまわないから・・・ということで作ったのが三代目ストッカーです。
設計するにあたって下記の6つの要件を考慮しました。
●要件 1
12種類のサイズ(厚み)を分別できること。
●要件 2
加工の手間を省くため、既製の工作材をできるだけそのまま使って作ること。(例えば900x150ミリの材は900x150ミリのままで使う。)
●要件 3
ボディの奥行きは180ミリ以下に抑えること。
(二代目の奥行きは300ミリ。)
●要件 4
後々の仕様変更に対応できるよう分解可能なこと。
(二代目ストッカーは木工ボンドで固めてしまったため、材料の再利用もままならなかった反省から。)
●要件 5
小物収納用の引き出しを設けること。
●要件 6
子どもの工作の域から脱すること。
以上の要件を満足させるべく描いたスケッチです。
縦型で前後両面に収納セルを設けるスタイルは二代目と同じ。
軽量化を優先し、材料はホームセンターで売られているファルカタ材を使うことにしました。メインフレームは13ミリ厚、セルの仕切り板は6ミリ厚です。
(1) まず、13ミリ厚の材でメインフレームを組み立てます。
左右の側板と底板および背板、後面の幕板の計5枚を木ネジだけで接合しました。
この構造にするとけっこう剛性感のある組み上がりになります。
(2) 6ミリ厚の材で仕切り板を作成。
前面用に90ミリ幅のものを4枚、後面用に45ミリ幅のものを5枚使います。
この90ミリ、45ミリという寸法がそれぞれの収納セルの奥行きになります。
仕切り板には縦にライン(90ミリ幅の仕切り板には2本、45ミリ幅のものには1本)を引いて、そのライン上に3ミリ径の穴をいくつかあけます。
(3) その穴に丸棒を通して仕切り板を連結します。
(4) メインフレームの上端と下端に前枠を木ネジどめします。
(5) 仕切り板のセットをメインフレームの中にそれぞれ落とし込みます。
(6) 前枠と仕切り板を木ネジで固定します。
(7) 下のスペースに合わせて引き出しを作ります。
バラす必要性がないので木工ボンドを使って組み立てました。
つまみには紫檀の端材を利用。
(8) 引き出しのレールとして6ミリ角の材を側板の内側に接着します。
(9) 30ミリ幅のファルカタ材で側面に設置する簡単なラックを作ります。
幅の広い材料用で、ここには幅120ミリまでの材を入れることができます。
側面にラックをネジどめして、ほぼ完成です。
既製のファルカタ材をできるだけそのまま使って木ネジで接合していくだけの割と簡単な工作でした。
引き出しも付いて、二代目に比べると見た目はかなりまともになったと思います。
また、奥行きは目標値より薄い150ミリにおさめることができました。作業部屋が狭いのでこのコンパクトさは助かります。
実は、仕切り板をつないでいる丸棒は板を連結するのが本来の目的ではなく、ひとつの収納セルを3つないしは2つに仕切るためのものです。
二代目の3段式が使い勝手がよかったので、仕切るためのなんらかの壁をつけるつもりでいましたが、分解できることが今回の要件。
なかなかよい案が浮かばなかったのですが、丸棒を使えばクリアできることに気がついた次第です。壁のために喰われるスペースも最小限で済みますしね。
90ミリ側は3つに、45ミリ側は2つに仕切っていますが、背板側に長い材を、手前側に短い材を入れて分別します。
もしこうせずに、ひとつの収納セルに長短の材を混在させた場合、使っているうちに短い材が長い材のうしろに隠れてしまう不具合が起こってしまいます。
このストッカー、前枠は上端と下端にしかないので、最前列に入れた中途半端な長さの材は前に倒れてしまいます。と言って、やみくもに前枠を追加すると、今度は材が取り出しにくくなって使い勝手が悪化します。
そこで倒れ防止のフェンスとして、輪ゴムを利用することにしました。
仕切り板前面に適当な間隔で木ネジを立て、そこに輪ゴムを引っ掛けるだけの簡単な方法ですが、フレキシブルなフェンスとしてちゃんと仕事をしてくれます。
もっとも、輪ゴムは切れた破片がストッカーの底に落ちて材を汚す可能性があるので、いずれ丈夫なゴムひもかなにかに変えるつもりですが。
二代目との比較です。
奥行きはかなり薄く仕上がりましたが、ずん胴で背が高いので、一見、二代目より大きく見えます。
実際に材料を入れてみました。
二代目に比べると容量は確実に減っているので、これに収まりきれない材料は買わないようにしないといけません。
以上、材料ストッカーのレポートでした。
2015.03.22 UP