このゴム銃は、昔作ったP601マルチ。
2連発とスペックはショボいですが、それでも作者初の「可動パーツ1点主義」のセミオート連発銃になります。
初弾を発射しつつ、ホールドフック先端を次弾の下にもぐり込ませて再装填、というアクションはけっこう作者のお気に入りです。
なんで、こんな古いモデルを引っ張り出してきたのかというと、今回制作した作品は、このP601マルチの「もぐり込み&引っかけ上げ機構」を発展させたものといえるからです。
発展版といいながらルックスは全然似ていません。フレーム上面がゴテゴテして、なにかと賑やかです。
1. 輪ゴムを保持するホールドフック。
2. 固定式のリリーサ。
3. 輪ゴムを引っかけ上げつつ、上段のステップへ次へ送り出すためのフックアップ・アーム。以降省略してアームと呼称します。
ホールドフックとアームとトリガーは、1枚の板から切り出した一体モノです。当モデルの可動パーツはこれのみで、外観は違えどP601マルチの「可動パーツ1点主義」を引継ぎました。
アームの「矢じり」型の先端に注目。ちっぽけですが本作の肝になる部分です。
糸ノコ盤がないとこの加工はちょっとお手上げ。
階段状のステップに3発、ホールドフックに1発。装弾数は計4発です。
トリガーを引くとホールドフックが沈降。そこに装填されていた輪ゴムは固定式リリーサにせり上げられてリリースされます。
同時にアームの矢じり部分が装填された輪ゴムの下にもぐり込みます。トリガーの戻し動作で矢じりが輪ゴムを一斉に引っかけ上げて次のステップへ送る仕組み。
思惑どおり輪ゴムを送ってくれるんかいな、と半信半疑だったフックアップ機構でしたが、あっけないほど、すんなりと動いてくれました。
ただ、ホールドフックとフレームの間に輪ゴムが食い込んで発射できないというトラブルが発生したため、固定式リリーサを急きょ後付けした次第です。
トリガーガードはハーフタイプ。当初ここに牽引ゴムを仕込むつもりだったので、このような三角っぽい形に。
フレームパネル上縁が三角状に盛り上がっていますが、これはアームの左右のぶれを防ぐためのものです。
右側から。
左側です。
作者としては珍しく、メインフレームとグリップフレームを一体加工。
ボディの厚みは11ミリと、かなり薄っぺらいです。
主材はシナベニヤ。グリップパネルはケヤキです。薄めたウレタン塗料(クリア色)で拭き仕上げしました。
「百聞は一見にしかず」ということで射撃シーンを動画でご覧ください。
射撃動画
<制作年> 2012年4月
<モデル名> P608 MOOGUL モーグル
<カテゴリー> ハンドガン
<全長> 385ミリ
<銃身長> 250ミリ
<装弾数> 4発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> フックアップ機構によるセミオート
<素材> シナベニヤ、ヒノキ、ケヤキ、竹串
<仕上げ> 薄めたウレタンによる拭き仕上げ
2012.05.10 UP