ということで、紆余曲折の末、やっと完成にこぎつけた糸巻式機関銃ことP503ドットデルです。
デザインも最初のシルクウッドバージョンのものとは大きく変わり、直線主体になりました。
ここであらためて駆動方式の説明です。
このモデルはガトリング式なので当然バレルは回転します。もっとも仕組み的にはバレルにタコ糸を巻きつけ、それを引っ張って回転させるという、ごく単純なものです。
糸を引くとミシンのボビンが回転するのと同じ理屈です。
(写真上)
そしてバレルを回すついでに、タコ糸でフックから輪ゴムを引っ張り上げてリリースするという、発射の仕組みもこれまたアバウトなものです。
(写真下)
なお、輪ゴムは銃の真上からではなく、射手から見てやや右寄りの場所から発射されます。
輪ゴムのかけ方ですが、タコ糸をバレルに巻きつけ、その上から輪ゴムを装填する作業を同じ列のフックで3回繰り返します。
この要領で、168本のフックに輪ゴムを3発ずつ装填していくと、めでたく504発の装弾数が実現できるという計算です。
ちなみに504発装填するために必要なタコ糸は9メートルに及びます。
504発の輪ゴムをフル装填したところです。輪ゴムの張力を想像するとけっこう恐ろしいものがあります。
タコ糸を巻き取るギアードモータですが、これが曲者でした。ドライバー本体から取り外すとモータとギアヘッドが泣き別れになる構造だったので、わざわざ木製のフレームを作って合体させる必要がありました。
モータがむき出しのままでは風情がないので、格子状のカバーをつけてみました。ちなみにこのカバーだけでも45ヶの木片から構成されています。
モータのメンテナンスを考慮して、カバーは開閉式になっています。
ブナ製のシリンダの根元にはボルトソケットを打ち込んでいます。カチッとワンタッチでモータにつなぐことができます。
バレルの過回転を防止するためのバレル・ストップです。スプリングを使って軽くバレルを押さえつけています。
そもそもこのモデルは、モータが回転する"ウィィィーッ"という音が作動音だったのですが、バレル・ストップを加えたことで木と木がかち合う音が加わり、機関銃らしい断続音を発するようになりました。
ボディのトッププレートを開けると電池ボックスの収納スペースが現れます。パワーソースは単三電池4本。直列6ボルトでギアードモータを駆動します。
また正転、逆転、電源OFFを選択するためのスイッチボックスを装備しています。
バレルが回転しているところを撮影してみました。作動は電動によるフルオートのみです。
発射速度は1200発/分とかなりの高レートになりました。
ひとまわり小径の巻き取りシリンダに交換すると発射速度は900発/分になります。さらに小さなシリンダを用意すれば600〜700発/分あたりの手ごろ感のある発射速度を狙うこともできます。
有機的なフォルムの504連発バレルですが、中は空洞で案外軽量です。
一方、直線的な120連発バレルは無垢の円柱を芯材にしているため、けっこう重く、剛性感も高いです。
装弾数を考えると、これって逆ですが、作った順番が逆だったのでしかたないところです。
同じ形のブロックを7個作り、フレームに接着してフォアグリップとしました。ブロックの隙間がデザイン上のアクセントになっています。