まず手はじめに作者が中学生の時に作った「バレル並列型ゴム銃」を作動確認のため再現しました。
たこ糸をバレルの上に渡してから輪ゴムをホールドフックにセットしていきます。
ホールドフックはつまようじです。バレルが10本なので輪ゴムの装填も10発です。
輪ゴムを装填しおわったら写真のようにホールドフックが下になるように銃を構えます。
たこ糸の先にくくりつけた五円玉を左手で持って下に引っぱると輪ゴムが次々とリリースされていきます。”ストリング・リリース方式”の手動式10連発機関銃というわけです。
中学生の時はこれを割りばしと適当な板材で作ったものでした。
以上の試作品で作動確認が取れたので、いよいよP501の制作にとりかかります。
さて、ここからが本番です。
試作品のような角材丸出しのカタチではデザイン的におもしろくないので、わざとバレルを異形にして、一見なんだかわからないようなフォルムにしてみました。
バレルの数は15本。素材はアガチスです。
異形なラインは糸ノコ盤で切り出しました。ちなみに写真が銃の上面になります。
アールを描くようにデザインされた銃の後面です。
積層された板材とたくさんのスリット。銃と言うより何かのツールのようです。
その形状からレイヤー(LAYER)と名づけました。
こちらが銃の裏面になります。
輪ゴムはこちら側へ装填するため上面にくらべるとフラットになっています。
整然と並んだ60本のホールドフックは”つまようじ”です。
作者が多用する素材ですが、今回はふんだんに使用しました。
ホールドフックは4列なので、4列x15発で装弾数は60発になります。
ホールドフックの上にたこ糸を渡してから輪ゴムを装填するのは試作品と同じです。
たこ糸の先端についているリリースノブの素材はウォルナットです。
60発の輪ゴムをフル装填したところです。
縦糸と横糸の饗宴 ・ ・ ・まるで、はた織り機を見るようです。
グリップは桂の丸棒で作りました。
装填が終わったら銃をひっくり返して右手でグリップを握ります。
リリースノブを左手で持って下に引っぱると、タラララララーと輪ゴムが発射されていきます。
15発撃ち終わると次のつまみを引っぱって同様に連射します。
簡単な”ストリング・リリース方式”ですので標的にむかってタマをばら撒く、というファジーな撃ち方が向いています。
「百聞は一見にしかず」ということで、射撃シーンを動画でご覧ください。
<制作年> 2003年12月
<モデル名> P501 LAYER レイヤー
<カテゴリー> サブマシンガン
<全長> 290ミリ
<銃身長> 240〜270ミリ
<装弾数> 60発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> 手動による擬似フルオート
<素材> アガチス、桂、ヒノキ、ウォルナット、つまようじ、たこ糸、しんちゅう製のクギ
<塗装> セラックニス仕上げ
2003.12.07 UP