2つのバレルを同じ空間に配置するという非物理学的?な機構を搭載したP304リバースです。
同軸交差バレルと名づけたこの機構は、1本のバレルの前後にそれぞれホールドフックとマズル部を備えているのが特徴です。
初弾を撃つとバレルが180度回転。前後が入れ替わり、次弾の発射に備えるというギミックになっています。
装弾数はたったの2発としょぼいですが、性能に見合わないおおげさなアクションがウリのモデルです。
制作途中の写真です。一見、夏休みの工作のようです。
赤い輪ゴムがかかっているのがホールドフックですが、直下にマズル部が存在するという珍しいレイアウトになっています。(マズル部にはグリーンの輪ゴムがかかっていますね)
このホールドフックと一対になるはずのマズル部は写真には写っていないバレルの反対側にあります。
サソリの尻尾のようなリリーサが輪ゴムを押し上げて発射する仕組みです。
バレルの真ん中に回転軸があって、バレルには半時計方向に回るようあらかじめテンションをかけています。
回転軸はラミンの4ミリ径の丸棒を使用。
また、回転軸の上端にはEリングをかませてバレルが外れないようにしています。
初弾発射前はリリーサがホールドフックの間隙に入り込んで、ストッパーの役目を果たしているので、バレルは動きません。
トリガーを引くと初弾が発射されると同時にリリーサの切り欠き部が上昇し、バレルはフリーに。
その瞬間、バレルは反時計方向に回転を始めます。
バレルは180度回転したところでフレームにぶつかって止まります。
引いていたトリガーを戻すとリリーサの上端部が2発目の輪ゴムをなめながら定位置へ戻ります。
ここで再びトリガーを引くとリリーサが輪ゴムを押し上げて2発目が発射されるという仕組みです。
2連発程度なら、もっとシンプルな方法がありますが、今回のモデルは動きのおもしろさを優先して制作しました。
バレルの回転軸に巻きつけられた輪ゴム。バレルを回す原動力です。
グリップはソリッドタイプではなく、後面が大きく開口して中はがらんどうです。
このがらんどうにトリガースプリングが仕込んであります。
最初に同軸交差バレルとリリーサの機構的なレイアウトを煮詰め、その後その機構が収まるようにフレーム、グリップをデザインしました。
このモデル、途中で大幅に設計変更しています。
当初はイラストのようにちょっと古風なスタイルでした。
でもって、実際に途中まで作りかけたりしていたのでした。
しかしながら「グリップのカタチと横方向の木目がダイソーの百円ゴム鉄砲を連想するなあ」とか「そもそもリリーサがきちんと機能するのか疑問」などといった理由で中断。
結局いったん白紙に戻し、いちから設計し直しました。
ルックスは激変しましたが、バレルは作り直すのが面倒だったので、初案のものをそのまま流用しています。
バレルはヒノキの角材と薄板で作りました。
フレームとグリップはケヤキ製です。
全体に木彫オイルで仕上げましたが、グリップのみニスで着色しています。
「百聞は一見にしかず」ということで、射撃シーン・・・というよりバレルが回転する様子を動画でご覧ください。
<制作年> 2005年8月
<モデル名> P304 REVERSS リバース
<カテゴリー> ハンドガン
<全長> 285ミリ
<銃身長> 235ミリ
<装弾数> 2発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> セミオート
<素材> ケヤキ、ヒノキ、シナベニヤ、ラミン、コイルスプリング、Eリング、木ネジ、つまようじ、輪ゴム
<塗装> 木彫オイル仕上げ グリップのみウレタンニスで着色
2005.08.25 UP