クランクハンドルを回してリリーサを駆動する手動式のマシンガン、P228タンバリンです。
連発機構は作者十八番のP200系、フカヒレ式を採用。装弾数は24発です。
フカヒレ型リリーサはあえてホールドフックの片面だけとしました。
真上から見るとホールドフックとリリーサのオフセット具合がよくわかります。
このオフセット配置でも、射線がズレるといった弊害は特にないようです。
外から見えませんが、作動時のみボルトのラックギアとラチェットシアがかみ合う仕組み。撃ち終わった後、ハンドルを押してスライドボルトを前に戻します。
楽器のタンバリンのような大型のリングがクランク機構です。
真ん中が空っぽで、いわゆる軸(クランクシャフト)がありません。
右側のクランクノブ。
ノブは、内側の一回り小さなリングにつながっていて、タンバリンの内周に沿って回転します。
いかにしてスムーズに回せるかが、制作上最大のポイントになりました。
ちなみに摺動部にはボールベアリング(BB弾)が仕込んであります。
利き手を選ばないよう、左側にも同じノブを付けました。
リングの内側にチョコっと突き出ているカム棒を下からたたくと、ラチェットが1発分駆動する仕組みです。
回転リングは左右独立しており、カムの作用点はそれぞれ3ヶ所ずつ。1回転で3回、カム棒をたたきます。
なお、「左右を連結した方がスマートでは?」と思う人がいるかもですが、実際つないだところ、一気に機械的な遊びがなくなって、動きが超渋くなってしまったので、わざわざ独立させた次第です。
左側から全景。
セミオートで単射するためのトリガーも設けました。
凹型のリアサイト付きです。フロントサイトはバレル先端で代用。
固定式のストック。バーチ合板の上にHDF材(高密度繊維材)を貼り付けました。
折り畳み式のバイポッドとそれが取り付いているハンドガード。
展示の際、ベタっと横置きするより、自立させたほうがなにかと都合がよいのでした。
本体はマホガニーとブナです。メカパーツはブナとバーチ合板。
ストックも本当は天然木を使いたかったのですが、手持ちの材がなくなってしまい、HDF材で代用しました。
「百聞は一見にしかず」ということで射撃動画をご覧ください。
<制作年> 2022年8月
<モデル名> P228 TAMBARINE タンバリン
<カテゴリー> マシンガン
<全長> 700ミリ
<銃身長> 160-300ミリ
<装弾数> 24発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> クランク式手動フルオート / トリガー式指動セミオート
<素材> マホガニー、ブナ、バーチ合板、HDF
<仕上げ>
ボディ:ウッドワックス仕上げ
グリップ:クリアウレタン仕上げ
ストック:木工ボンド仕上げ
2023.09.01 UP