まずは前フリから・・・。
上の2つは作者十八番のフカヒレ方式連発銃、P204バースト27連発(左)とP207ダンマック33連発(右)。
共に2001年の作で長大なソーブレード型のホールドフックが特徴です。
25発超の装弾数を実現するために、P204バーストはソーブレードの間隔を5ミリに狭巾(せまはば)化。
一方のP207ダンマックは同軸式タンデムバレルと呼ばれる奇策でソーブレードを延長。広めの間隔を維持したまま、装弾数を確保しました。
今回制作した作品は手動式の擬似フルオートマシンガンで、キャラ的には上のP207ダンマックに近いです。
名称はP217ライトニング。
30発とマシンガンなりの装弾数を確保していますが、ソーブレードの狭巾(せまはば)化やタンデムバレル化とは違う新しい手法で多弾化にアプローチしてみました。
ジグザグしたソーブレード型ホールドフックが特徴です。
フカヒレ型のリリーサの斜面でソーブレードに装填された輪ゴムを押し上げて発射する原理は、従来のフカヒレ方式と同じ。
なお、従来のフカヒレ方式のマシンガンは、ソーブレードの両側に2枚のリリーサを配置するアウトサイド・リリースを採用していましたが、本作はソーブレードの内側をリリーサがスライドするインサイド・リリース方式になっています。
インサイド・リリース方式の利点は、パッと見で装填状態がわかりやすいところです。
ソーブレードに刻まれた15のスリット。
これだと通常は15連発にしかなりませんが、輪ゴムを2層に装填できれば倍の30発になる!という発想から、このジグザグした形状を思いつきました。
30発の輪ゴムを15発ずつ、上下2段に分けて実装したところです。
わかりやすいように上段に赤、下段にグリーンの輪ゴムを装填してみました。
擬似フルオート・マシンガンの例にならい、トリガーに相当するパーツはありません。
水平型のフォアグリップを引いて輪ゴムを発射します。
フル装填の状態から8発ほど発射したところです。
この時、発射されるのは上段の赤い輪ゴムのみ。下段のグリーンの輪ゴムはリフトアップされるものの、発射されることはなくソーブレード内にとどまる仕掛けになっています。(写真中のグリーンの輪ゴム。リフトアップされたものと、されていないものとで、二手に分かれているのがわかります)
フォアグリップを引き切って、上段の赤い輪ゴム15発を完射したところ。
下段のグリーンの輪ゴムはすべてリフトアップされ、上段フックのところで待機中です。
ここでいったんフォアグリップを最前位置へ戻します。
そして再度フォアグリップを引くと、先の15発と同じようにグリーンの輪ゴムも発射されていくという仕組みです。
ここまでの説明だけでは、なぜ下段の輪ゴムが発射されないのかが、謎だと思います。
そこで2段ローディングのイメージを補完すべく、GIFアニメをこしらえてみました。
なお、途中でフォアグリップを戻す動作が入るため、30発を一気に撃ちつくすことはできません。このへんはタンデムバレル方式に及ばないところです。
大型のリリーサはフォアグリップと一体化。
ポイントはタテに配置した2つの斜面とそれを仕切る長いスリット。
ジグザグ型ソーブレードとともに、2段ローディング機構を実現するためのキモになる部分です。
なお当モデルの可動パーツはこれ1点のみ。
ラミンの半丸棒の内側に貼り付けたソーブレードは4ミリ厚のシナベニヤ。
下部のパーツはガイドプレートで、この2つのパーツの間の溝の中をリリーサがスライドします。
フォアグリップ。最前ポジションです。
フォアグリップを引き切ったところです。
メインフレームからちょこっと頭を出しているマズルヘッド。9ミリ厚のシナベニヤで作成。
ラミンの半丸棒を軸として各部をレイアウト。見た目はマシンガンというよりポンプアクションのショットガン風です。
固定型のストックを装備。小さめの肩当て部はMDFで作成しました。
グリップとフォアグリップはチークを使用。希釈した水性ウレタンでサッと仕上げています。
フカヒレ方式で装弾数を稼ぐ場合、タンデムバレル機構のほうが合理的かもしれませんが、新しいアイデアを試してみたく制作したP217ライトニングでした。
「百聞は一見にしかず」ということで2段ローディングの様子を動画でご覧ください。
射撃動画
<制作年> 2013年9月
<モデル名> P217 LIGHTNING ライトニング
<カテゴリー> マシンガン
<全長> 680ミリ
<銃身長> 230〜360ミリ
<装弾数> 30発
<使用弾> #16輪ゴム
<作動> 手動式擬似フルオート
<素材> ラミン半丸棒、シナベニヤ、MDF、チーク
<仕上げ> 水性ウレタンクリア塗装
2013.11.04 UP